金剛力士像~「国宝 東京国立博物館のすべて」2022年12月01日

東京国立博物館の金剛力士立像
上野の東京国立博物館へ創立150年記念 特別展「国宝 東京国立博物館のすべて」を訪れた。

愛染明王坐像(あいぜんみょうおうざぞう)
文殊菩薩騎獅像、愛染明王坐像、十二神将立像 すべて13世紀 (鎌倉時代)
今回展示されているこれらのコレクション(重文)に、新たに平安時代に作られた仁王像(金剛力士立像)が仲間入りした。

展示会場では、柵などなく像のまわりをひとまわり観覧できる。
よくお寺の門の左右に立っているのを見るが、それとは違い背中までぐるりと見られる機会は中々ないだろう。

台風により倒壊したお寺と共に崩壊し、散乱した部材を数十年以上保管していた地元の方々から受け継ぎ、修復作業により蘇った、平安時代の仁王像が辿ってきた人々が繋げた数奇な運命が興味深い。

仁王像 ざっくり知る! 東京国立博物館の金剛力士立像
https://www.tnm.jp/150th/project/202210/douga_niou.html

・東京国立博物館 https://www.tnm.jp/
・東京国立博物館創立150年記念 特別展「国宝 東京国立博物館のすべて」
https://tohaku150th.jp/

開催趣旨より-----
本展は、この大きな節目を記念して開催するものです。 150年の間に積み重ねられた約12万件という膨大な所蔵品の中から、国宝89件すべてを含む名品と、 明治から令和にいたる150年の歩みを物語る関連資料を通して、東京国立博物館の全貌を紹介します。 展示は2部構成で、計150件を展示します。

写真はFBのアルバムに
https://www.facebook.com/photo/?fbid=5742138362512738&set=pcb.5742140802512494

伊豆山~城ヶ崎海岸を散策2022年12月06日

先月末は久しぶりに伊豆山に滞在した。

秋が過ぎ山々が白くなりはじめると、温暖な伊豆に行く機会が増える。
海岸沿いに車を走らせること小一時間で到着、今回は大地の動きを感じられる柱状節理好きな私のお気に入りのルートを歩くことに…それからお決まりの温泉でリフレッシュ…。

迫力ある柱状節理と言えば、数年前に訪れた中伊豆の渓谷沿いの断崖の風景は迫力があった。

ぜひ再訪したいものだと思っているのだけど…。

写真は、柱状節理の断崖がさらに湾曲したもの。

城ケ崎の写真はFBのアルバムに
https://www.facebook.com/photo?fbid=5764133820313192&set=pcb.5764134056979835

祈り・藤原新也~世田谷美術館2022年12月15日

祈り・藤原新也
世田谷の砧公園にある美術館で開催されている藤原新也氏の展覧会に行った。

多くの人が一度は目にしたことがあると思うけど、会場で大画面に引き伸ばされたインドの写真は、かなりインパクトがあった。聖地の河原での風景、ガンジス川辺で行われている火葬…。

犬が人の遺体を食べている写真は衝撃的すぎて…。
「ニンゲンは犬に食われるほど自由だ」…って強烈!

「生を想え(メメント・ヴィータ)」
人とその生に対する真正面からの問いかけ。
会場内を振り返り…思わず頷きたくなる。

藤原氏の作品に出会ったのは、もう数十年も前のこと。
日本野鳥の会から発行されていたフリーマガジン「Toriino」に、毎号藤原氏の写真と文章が見開きで掲載されていたのだ。残念ながらすでに廃刊になっているけど、毎号楽しみにしていたのが懐かしい。
https://www.wbsj.org/activity/spread-and-education/toriino/

ちなみにToriino(トリーノ)2006年の第1号(12月発行)より

人の世は出会いかも知れない。
人は人に出会って人になる。(誌面より)

写真の傍らにある文章がなんとも自然体で且つインパクトがある。テキストを添えられた写真から物語が溢れ、より存在感を増すからだろう…。各号には前田真三氏、濱谷 浩氏、土門 拳氏、岩合光昭氏、澤田教一氏、先日写真展に訪れた星野道夫氏なども同じく写真と文章が掲載されていた。

会場の片隅に「バリ島のマユゲ犬」の写真が…思わず笑ってしまった。

藤原氏の「藤原悪魔」の表紙にもなっている。
https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163544403

そのユーモラスな顔で地域の人に可愛がられ、笑みに囲まれまわりの人によって犬格が出来上がったとも言われた犬…動物記やエッセイの著もある藤原氏…絵も描き、文章もさらりと…なんと多才なんだろう。

以前から作品には注目していたけど、こんなに近くで大規模個展が開催されるとは、昼下がりに思わず足を運んでしまった。都内はぽかぽか陽気で、美術館近くの木々には紅く染まった葉が残っていてきれいだった。

現在も続く 「メメント・モリ(死を想え)」

世田谷美術館 https://www.setagayaartmuseum.or.jp/
企画展 祈り・藤原新也
https://www.setagayaartmuseum.or.jp/exhibition/special/detail.php?id=sp00211

◇展覧会のみどころより-----
・公立美術館初の大規模個展
これまで写真サロンやギャラリーで数多くの個展が開催されてきましたが、公立美術館で大規模に開催される個展は今回が初めてです。250点以上の写真と言葉により、50年以上にわたる藤原の表現活動の軌跡を俯瞰する初の機会となります。

・作家自身の眼で厳選された作品による、「祈り」の壮大な物語
本展は藤原の集大成ではありますが、主要な仕事を時系列で紹介する、たんなる回顧展ではありません。「祈り」というキーワードに基づいて、現在の視点から藤原自身が改めて厳選・編集した、新たなストーリーを持った展覧会です。

・迫力の大画面写真と書き下ろしの文章
大きいものでは3mの大画面に引き伸ばされた写真に、本展のために書き下ろされた文章が美しいレイアウトで添えられています。広い空間に大迫力の写真と言葉が並び、書籍や写真集で「読む」のとは一味違う、展覧会ならではの鑑賞体験ができます。

「企画展 祈り・藤原新也」は一部を除いて撮影が許可されていました。
写真はFBのアルバムに
https://www.facebook.com/photo/?fbid=5853218024738104&set=a.5407110696015508

それぞれのふたり 萩原朔美と榎本了壱2022年12月16日

それぞれのふたり 萩原朔美と榎本了壱
世田谷美術館にて「祈り 藤原新也」展の後…
ミュージアム コレクションでも興味深い展示が行われていた。

「萩原朔美と榎本了壱」

萩原氏の過去と現在の組み写真、人は違えど関係性や場所やポージングなどが見事に再現されていた。

壁一面に広がる榎本氏の「高丘親王航海記 書写」は圧巻だった。
ギンザ・グラフィック・ギャラリーで数年前に開催された「榎本了壱コーカイ記」で受けた衝撃を思い出す。それにしても、澁澤龍彦さんの「高丘親王航海記」を3年もかけて写しとったって…神憑っていないか? そしてあまりに細密な絵の前に時を忘れて惹きつけられることになる。

都内は、まだ日中はぽかぽか陽気。
園内の木々が鮮やかに染まっていました。

・ggg 展覧会アーカイブより過去の展示について閲覧することができます。

ギンザ・グラフィック・ギャラリー第356回企画展
榎本了壱コーカイ記
https://www.dnpfcp.jp/gallery/ggg/jp/00000680

開催概要より-----

萩原朔美(1946-)と榎本了壱(1947-)は、寺山修司の劇団で出会い、雑誌『ビックリハウス』を創刊しました。映像、写真、版画、アーティスト・ブックを制作する萩原と、澁澤龍彦の小説『高丘親王航海記』を全文筆写して挿絵を添えた榎本の仕事をご紹介します。

世田谷美術館 https://www.setagayaartmuseum.or.jp/
ミュージアム コレクションⅢ それぞれのふたり 萩原朔美と榎本了壱
https://www.setagayaartmuseum.or.jp/exhibition/collection/detail.php?id=col00116

写真はFBのアルバムに
https://www.facebook.com/photo/?fbid=5852488104811096&set=pcb.5852488398144400