東京都写真美術館「イマドキの野生動物」2021年09月11日

恵比寿の東京都写真美術館に「宮崎学 イマドキの野生動物」他の企画展を訪れた。ここしばらく自然の中に身を置くための旅行に行く機会が減っていたこともあり、自然界の報道写真家といわれる宮崎学氏の展示はかなり興味深いものだった。

野生のニホンカモシカなど自然の中で生きている動物たちの生態を久しぶりに観察する時間となった。定点カメラ(暗視含む)で捉えた映像には、思いもよらないシーンが記録されていたり、街での夜の動物たちの生態などまさにイマドキの動物たちの日常があった。そして、命が土に返っていく様までも映し出していた。

そういえば、ニュースで世田谷にもサルが出没したという…庭のある家も多く、庭木にはたくさんの果実が実っている。都市部でも高齢化が進み、そのまま収穫もしない家もたくさんある。それをみつけた動物たちが集まるのも自然なことだ…別の原因だけど我家の庭にアライグマが来たことも…(泣)

人間が考える山などの自然界にいるものとしてきた動物たちが人里に現れ、新たな共生の形を改めて考える時期にきているのかもしれない。「イマドキ」という言葉に深い意味があるような気がした。

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■写真展解説より
宮崎は動物たちの通り道に自作の赤外線センサー付きのロボットカメラを設置し、撮影困難な野生の姿を撮影した「けもの道」のシリーズなど、哺乳類、猛禽類の撮影において独自の分野を開拓してきました。また、人間の生活空間近くに出没する野生動物や、外来動物の影響など、動物の生態を通して人間社会を浮き上がらせる社会性のあるテーマにも取り組んでいます。
シリーズ最新作となる「新・アニマルアイズ」では、「動物たちの住む森を動物の目線で見る」をコンセプトに、動物たちの痕跡を注意深く読み解き、自作のロボットカメラで人間の目が及ばない世界をみごとに写し出しています。本展覧会は、半世紀近くにわたる宮崎の作家活動の軌跡をたどりながら、黙して語らぬ自然の姿を浮き彫りにしようとするものです。
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東京都写真美術館 https://topmuseum.jp/
「宮崎学 イマドキの野生動物」
https://topmuseum.jp/contents/exhibition/index-4025.html