アーティゾン美術館 M式『海の幸』ー森村泰昌2021年10月10日

アーティゾン美術館で「ジャム・セッション」の第2弾が開幕した。
以前から注目している森村泰昌氏の大規模なインスタレーション。今年の1月に41年間の幕を閉じた原美術館にて開催された企画も印象深いものがあったが、東京都写真美術館で開催された「なにものかへのレクイエム」にて強いインパクトを受けたのはもう十数年前のこと。それから森村氏の展覧会にはすべて足を運んでいる。

ゴッホに扮したセルフポートレイト写真でデビューした森村氏、それからどのくらいの他者に扮した姿を見ただろう。今回はひとりで85人の登場人物を演じるという。綿密な計画と緻密な再現性、アーティストとして妥協のない作品にはいつも感服する。青木繁氏という一人の作家と対峙しながら制作した10連作は見ごたえのあるものだった。

この展覧会の写真はFBに掲載
https://www.facebook.com/harumi.maezawa.1/posts/4533323360060917

-------展覧会みどころより---------
■写真・映像作品等を含め出品作のほとんどが新作
この展覧会は、当財団コレクションより青木作品約10点と、森村作品約60点で構成されます。青木繁の自画像や《海の幸》の人物などに扮した写真・映像作品、また習作やジオラマなどを含む50点以上が、本展覧会のために制作された新作です。
■森村泰昌による青木繁研究
当館が所蔵する青木繁の《海の幸》や《わだつみのいろこの宮》(1907年)などの代表作を、森村独自の作品解釈やコメントとともにご紹介します。M式「海の幸」は、それらの森村による青木研究をふまえて制作されます。
■大規模なインスタレーション
森村によるM式「海の幸」では、明治・大正・昭和から現代、そして未来へと続く日本の文化や歴史を舞台に青木の《海の幸》を10点のヴァリエーションに展開し、85人の人物が登場します。幅約3mのM式「海の幸」10点が円環状に構成される大規模なインスタレーションです。
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アーティゾン美術館 https://www.artizon.museum/
ジャム・セッション 石橋財団コレクション×森村泰昌
 M式「海の幸」ー森村泰昌 ワタシガタリの神話
https://www.artizon.museum/exhibition_sp/mshiki/

2021年1月に閉館した原美術館での展覧会
http://www.haramuseum.or.jp/jp/hara/
森村泰昌:エゴオブスクラ東京2020―さまよえるニッポンの私
http://www.haramuseum.or.jp/jp/hara/exhibition/842/

FBに掲載した写真
https://www.facebook.com/photo/?fbid=3191554864237780&set=a.2914719695254633

東京都江戸博物館~東京に生きた縄文人2021年10月12日

久しぶりに東京江戸博物館を訪れた。
特別展の「縄文2021―東京に生きた縄文人―」が開催されている。

東京という地域に焦点をあてた縄文についての展覧会は、1986年(昭和61)「東京の遺跡展」(銀座ソニービル)で開幕して以来、35年ぶりだそう。

多摩ニュータウンの遺跡から出土した縄文時代中期とされるビーナス(土偶)や、丘陵人(おかびと)の肖像(顔面装飾)、鳥形把手付深鉢形土器や様々な土偶の数々。

雪谷や大森の貝塚など、身近なところで発掘された遺跡は知っていても思い出すのは貝の蓄積した地層などで、土器やその具体的な出土品は見るのは初めてのこと。毎週通っている町田の西部地域でも忠生遺跡をはじめ多数の集落跡などの遺跡があることを知る。

身近な地域で縄文の痕跡が多数あることに驚くとともに、資料や具体的に再現されたものは考古学的にとても楽しい展示でした。

同じに開催されている企画展「ひきつがれる都市の記憶―江戸東京3万年史」では、新たに開業した高輪ゲートウェイ駅周辺から発見された線路の遺構「高輪築堤」についての資料、江戸の歴史を語る瓦版や絵巻、東京のスケッチ画など…こちらも見どころ満載です。

緊急事態宣言が解除されたタイミングで修学旅行なども再開されているようで、今日は各所からの学生たちが館内を回っていました。とはいえ、観光客が多くいる週末でもないので、企画展内は人もまばらでゆっくりと観覧できました。

東京江戸博物館
https://www.edo-tokyo-museum.or.jp/
特別展「縄文2021―東京に生きた縄文人―」
https://www.edo-tokyo-museum.or.jp/s-exhibition/special/32188/jomon2021/

写真はFBに掲載
https://www.facebook.com/harumi.maezawa.1/posts/4602339343159318

箱根~伊豆修善寺と鎌倉へ2021年10月29日

今月は、いつもより多くの日々を箱根に滞在している。月末は緊急事態宣言も解除されたので高齢の両親と共に数日を温泉地で過ごすことに。

箱根の周辺は、山から湖畔まであらゆるところに行き尽くしていたので、今回の散策は伊豆の中ほどの修善寺まで足を延ばしてみた。東京から訪れると少し寂れた温泉地という印象があった場所だけど、しばらく訪れない間に川の周辺も整えられゆったりと散歩するには心地よい場所になったような気がした。

修禅寺と宝物館を訪れると、大田区の記念館に行く予定にしていた川端龍子の天井画や書が並んでいた。川端龍子が修善寺ゆかりの日本画家だとは知らなかった。同じようなことが重なるというのはよくあることだが、そこを訪れた偶然に驚いた。

翌日は久しぶりに鎌倉の長谷寺や大仏を拝んでから建長寺に向かうことに…よく歩いた旅となる。

コロナ禍に高齢者を同伴するのは少し躊躇していたので、久しぶりに広い湯につかる解放感は外出も少なくなっていた身体にはよい刺激となったことだろう。

修禅寺 https://shuzenji-temple.com/index.html
長谷寺 https://www.hasedera.jp/
鎌倉大仏殿高徳院 https://www.kotoku-in.jp/
建長寺 https://www.kenchoji.com/