湘南大磯の自宅庭にて2021年02月09日

湘南の大磯の家の庭、家の取り壊しに伴い庭木や球根類の整理をした。庭の中心で大きなシンボルツリーとなっているソテツはそのままに、家のすぐ前にある大きな枝垂れモミジは移植することに。

それにはすぐ横にある大きな庭石も移動しなければならないので、プロの職人さんに依頼する。1トン以上はあるだろうという大きな石を、地道な手作業で知恵を働かせて移動してくれた。そして枝垂れモミジも庭の端に無事移植完了。あとは根がつき、きれいな色が復活することを祈る。(写真は10数年前の色づいた枝垂れモミジ)

長い時間の中で庭ではいろいろな植物たちが育ってきた。
ソテツ、高さが10数メートルにも育ったシュロ、実のなる桜、ツゲ、紅葉、椿、梅、柚子、夾竹桃、金柑、ザクロ、百日紅、カポック、ゆすら梅、テッセン、シャガなど。ジンジャーリリー、アガパンサス、ジャーマンアイリス、百合、スイセン、ムスカリなどの毎年開花する球根類。残せるものはコンパクトに、球根類は掘り出した。

防風林となる木々はあまり高さが伸びても手に負えなくなるので定期的に剪定が必要だ、実のなる木々も収穫後の剪定などを怠ると悲しい樹形になってしまう。台風で敷地内の入口の大きなクスノキの枝が折れたこともあった。

それでも、温暖化による猛暑の中で時には日差しを遮り、鳥たちの生活する場所にもなる。夏の夜明けなど、時にはヒグラシの大音量の声と共に涼しいくらいの風を運んでくれ、強風の夜更けには海風を和らげてくれる。

気候の変化もどんどん顕著になるけど、自然と共存するためにはどちらにもバランスのよい手入れが必要になるのだろう。

競走馬だった馬で馬術の練習2021年02月15日

競走馬だった馬で馬術の練習
馬場でのここ最近の相棒の写真。
2012年生れのサラブレッド(せん馬)、今年9歳になるとても元気な馬だ。

反応がすごくよいので、始めの数回の騎乗ではわずかな脚の合図のずれでビュンと駈歩を始められてしまったり、脚でなくかかとの方がちょっとでも当たってしまったり、合図が駈歩でもないのに少しだけ後ろにずれてしまった(手綱は張っているのに)時などは、耳を立て振り返り「今のは何ですか?」というようにジロリと見られた。

それからは、こちらも周りに何か影響のあるものがないときは、耳の動きを見ただけで「ゴメン、私の脚が悪かったですハイ」と反省することしばしば。とても緊張感のあるよい先生である(笑)

手綱を少しずつツメて頭を安定させハミを取らせるが、強くも弱くもない加減が中々つかめなかった時期などは、張った手綱が少し緩むだけで歩度がグンと伸びてしまった。つまり折り合いさえつけば推進だけはオートマチック的にいくのだが、他の馬にはあまりない早い動きの中で自分のバランスを保ち、馬の動きについていくという多様な判断に自分がついていけないという状況を久しぶりに体験することになった。

馬に乗るというのは、かなりのマルチタスクである。
本日の馬の状況(緊張していないか、リラックスしているか、足は痛めていないかなどなど)、自分の体幹バランスがずれていないかは基本。

ただ馬に乗せられて馬場をまわる(乗馬)というのであれば別だけど、馬術の練習をする以上はきれいな図形運動ができるように、早めの指示で的確な強さの脚の扶助ができるか、それに伴う手綱の動きも逐一変わる。プラス同じ馬場では他の人馬もフリー騎乗している。突然止まる馬もいたり、まわりの森の中から鳥が飛んでくることもしばしば。

車の運転がマルチなのはわかると思うが、相手が動く生き物であることでそこに本日の気分まで入ってくる。よく人を見るというけど、馬場の中ほどに行けばさぼれると思う馬、今日はなんとなく動けばいいやとでも思う馬もいるので騎乗中は自分に集中させることも求められる。それもけっして鞭などの力ではなく…。

乗馬倶楽部には色々なところから馬がやってくる。大学の馬術部、他の乗馬施設、競走馬が乗用馬に、自馬としていた人が手放して練習馬になるものなどなど。そしてこちらも馬に乗り続けるのは筋力や体力と体幹維持のため、競技会で上位を狙うなどということもないので、いろいろな馬に乗せていただく。

この馬は調教はしているとはいえ、つい数年前まで(福)や(M・デ)も東京や中山で騎乗していた馬らしく威勢がよい。でも性格はとても穏やかでフレンドリーでかわいいやつだ。そして、騎乗後には鞍を外すのも待っていられないくらい厩舎に走りそうになる食いしん坊(笑)

馬術の動きを人馬共に練習するには、集中させながらもゆったりとリラックスした動きの継続ができることと、私が正しい扶助と合図で柔軟性を導きながら繰り返しの練習を続けるのみだな~しばらくはお付き合いしてもらうことになりそうだ。

ちなみにせん馬とは去勢した雄の馬のことで、人間の都合であるらしいが気性の荒さに関係する男性ホルモンの分泌が抑えられることで折り合いをつけやすくなったり、余計なエネルギーを使わなくなるらしい。
そのせいか疲れやすくなることもなく、ケガも少なくなるとか。
人間だったらどうなんだろうなんて想像してしまう(笑)

乗馬ではなく馬術の練習をするべく馬と過ごす日々はつづく…。

アーティゾン美術館にて2021年02月18日

すばらしいコレクションを多数収蔵しているアーティゾン美術館を訪れた。ここも時間予約制で、並んだり混んだりすることもなく余裕をもってゆったりと観ることができる。

今回も、ルノアール、マティス、ピカソだけでなく前回観たパウル・クレー、イサム・ノグチ、マルセル・デュシャン、そしてアボリジニの作品や映像技術にいたるまで多くの部類の展示企画。

写真は、ジョセフ・コーネルのコラージュ作品「衛星の観測」
北斗七星の星々が五万年後にどのような形になるかの予想図なんて…コラージュの素材としての発想とは思えない作品に出合った。どれも新たに収蔵されたという魅力的な作品たちである。

この美術館の好きなところは、全体のゆったりとした配置と照明のバランスがすばらしいところ。多くの美術館は観ているときにもガラス面に照明が反射して作品を観ることに集中できなかったり、作品保護ために照度を落とすのは仕方ないとしても気になるところが多々ある。ここでは「ガラス張りの額に入れないで展示しているのか」と思わせるほど光が微妙な角度で設置されている。作品名や説明が読めないなどということもない。

そして、各フロアにはViewDeck(展示室とつながった展望休憩コーナー)があり、眼下にはちょうど現在工事中の隣の高層ビルの作業風景が目前に広がっていた。大きな重機が基礎工事をしているのだが、中々お目にかかれないシーンに目が離せなくなり、美術館にいることをつい忘れたりして…温かい日差しの中で時が過ぎた。

アーティゾン美術館
https://www.artizon.museum/

ミティラー美術館 自然と共生の世界2021年02月28日

雪深い新潟の里山に、インドの先住民による民族美術作品を多数所蔵する美術館があることを知る。古い小学校の校舎を利用したミティラー美術館は1982年に設立され、その後の中越大震災の被害による休館も経て、2006年「大地の芸術祭越後妻有アートトリエンナーレ」にて再オープンされた。(「インド民族アートの世界」展)

そして、今月より東京の「たばこと塩の博物館」にてインドの先住民ワルリー族によるワルリー画やミティラー画、テラコッタなどの作品の一部が展示されるコレクション展が再度開催されている。渋谷の公園通りにあった「たばこと塩の博物館」、墨田区に移転してから初めて訪れた場所はスカイツリーの真下にあった。

インド先住民による作品たち、数千年にわたって伝承されてきた原始的な壁画、そこからできた新たな流れである民話や神話を表現するワルリー画まで多彩な表現力溢れた世界。その中には万物を育む女神や精霊、自然神を崇拝する日々の生活まで垣間見られた。

新潟にある家で過ごす都度、中越に多数あるアート作品の拠点にはたびたび足を運びますがミティラー美術館の存在は知ることなく、この展覧会はとてもよい発見となった。トリエンナーレとは別に個々の場にも目を向けるよい機会となった小春日和。

梅が満開になり、早咲きの桜も開花し暖かい日も時にはあるけど、北風がまだまだ冷たい2月の日々。この時期は屋内の散策を兼ねて美術館や博物館に足を運ぶことも多くなってきた。(運動不足になりそうな人の同伴が多いのだけど)

ミティラー美術館 http://www.mithila-museum.com
たばこと塩の博物館 https://www.tabashio.jp

写真はFB のアルバムに
https://m.facebook.com/harumi.maezawa.1/albums/3733853206674607/